- はじめに
- はんだ付け配信 解説
- 1.抵抗のはんだ付け(冒頭~00:21:00あたり)
- 2.ジャンパ・ソケット取付①(00:21:00~00:23:00)
- 3.はんだ吸取機での取外し(00:23:00~00:31:00)
- 4.ジャンパ・ソケット取付②(00:31:00~01:01:00)
- 5.余談(はんだ付け失敗)(01:01:00~01:05:00)
- 6.ジャンパ・ソケット取付③(01:05:00~01:12:00)
- 7.コンデンサ取付(01:12:00~01:43:00)
- 8.ボリューム・ピンヘッダ取付(01:43:00~01:53:00)
- 9.ジャンパピン・IC取付(01:53:00~02:05:00)
- 10.動作前導通確認(02:05:00~02:08:00)
- 11.レファレンス動作確認(02:08:00~02:13:00)
- 12.オペアンプ交換①(02:13:00~02:15:00)
- 13.オペアンプ交換②(02:15:00~02:18:00)
- 配信後の手直し作業
- おわりに
はじめに
※11/1追記
11/2 MI68にてVer.1.0のお目見えがされるそうです。この解説も過去のものとなるため動画は削除しております。雰囲気だけでも味わっていただければ幸いです。
これはRE:birth用音源モジュールの新作となる、新OPNAモジュール(開発中)のベータ版の作製レビューである。今回、このような機会を与えていただき非常に感激している。βテスターとして恥じないレビューをしていこうと心に誓うものである。
さて先日、Youtube Liveにてこの試作品のはんだ付けから実際に動作させるまでを生配信した。今回は、そのはんだ付けの経緯と、既知の問題点の修正および簡単なチューンまで行ったところまでを紹介したいと思う。
はんだ付け配信 解説
2時間超となった配信時間のために動画を全部観るのは大変なので、こちらでダイジェストを作製したのでササっと読んでいただきたい。(各タイトルがYoutubeの時間引用ありの動画リンクなので飛べるようしてある)
1.抵抗のはんだ付け(冒頭~00:21:00あたり)
この部分では抵抗のはんだ付けをしている。金属皮膜抵抗は4個でどれも同じ抵抗値だ。音質にかかわる部分だけを残して、あとは表面実装の抵抗に変わっている。なんと23個中19個は実装済みである。そのために抵抗の実装は非常に短時間で出来るようなっている。(私の手際が悪くてだいぶ手間取っているが、普通にやれば数分も掛からないであろう)
2.ジャンパ・ソケット取付①(00:21:00~00:23:00)
続いてジャンパやソケットの取付を行う。コメントから、ほかの背の高い部品で邪魔される前にやっておくのが良い、とのことではんだ付けをしたのだがミスをしてしまい別のジャンパを取り付けてしまう。焦りは禁物である。
3.はんだ吸取機での取外し(00:23:00~00:31:00)
ようやくここから私の声が配信に入るようになった。最初ははんだ吸取線を使ったリカバーをしていたのだがうまく行かなさそうなので自動はんだ吸取機(TP-100)を使って簡単に取外しをしている。吸取機のメンテナンスは必須だが長い目で見ると便利なので持っておくと良いアイテムだと思う。
4.ジャンパ・ソケット取付②(00:31:00~01:01:00)
この辺りからミスも解消して、喋りの調子も良くなってきたのもあり、どんどんはんだ付けが進んでいく。YM2608用のSDIP64ピンは間隔も狭く、はんだ付けするのが一苦労だ。ここは現行のOPNAモジュールも同様なので今回のはんだ付けの大一番という感じだ。
5.余談(はんだ付け失敗)(01:01:00~01:05:00)
これは音声出力のR/Lが逆になっている不具合の修正を試みようと、ソケットで下駄を作るところだ。エナメル線を素手で持ったままはんだ付けしようとして、危うくヤケドしかかったシーンだ。本来の目的は標準部品でのはんだ付けである。現段階では余計な作業となってしまった。ここは素直に反省だ。
6.ジャンパ・ソケット取付③(01:05:00~01:12:00)
あらためて残りのソケットをはんだ付けする。ソケットはICが容易に取り外しが出来るようにするのが目的だ。特にオペアンプ用には下記のような特徴があるため、チューニングの為に必要な工程となる。 4つのオペアンプの役割は下記のようになっている(※1)
- IC5…初段
- IC4…高精度フィードバック用
- IC6…次段
- IC7…最終段(DIP抵抗・フィルコン)
※1…四谷言ノ助さんのツイートより
7.コンデンサ取付(01:12:00~01:43:00)
各種コンデンサをはんだ付けしていく。コンデンサも多くが表面実装(36個中16個)されている。ユーザーはチューニングに影響に出るコンデンサ群をはんだ付けしていけばいいわけだ。とりわけ数の多いMUSE ESとUTWRZ、よちゅ~ん☆レシピにてWIMAに置き換えられそうなフィルコンなどのはんだ付けがおわればもう一息だ。
今回は片足ずつはんだ付けしていき、部品が外れにくくするようにしているが両方一気にはんだ付けしてから足を切る場合は、念のためそのあと軽くコテを当ててはんだがしっかり付くようにした方が確実だろう。
8.ボリューム・ピンヘッダ取付(01:43:00~01:53:00)
ボリュームとL型ピンヘッダを取り付ける。この2つは取付の時に斜めになったりすると修正がききづらい。必ず1つ目のピンをはんだ付けしてから目で見て確認してから作業を続行すること。
9.ジャンパピン・IC取付(01:53:00~02:05:00)
はんだ付けの工程は終わり、いよいよジャンパピンとICの取付をする。正しい向き、正しい場所に取付するよう作業をする。
特にオペアンプは逆差し一撃で壊れるので要注意。部品表通りの組み方(レファレンス環境)はNJM2904Dを4つ使う事になっているのでまずはこの内容で組んで評価していこう。
10.動作前導通確認(02:05:00~02:08:00)
動作確認の前に「オペアンプの確認を!」とコメントが入ったので、以前のトラブルシューティングにあったように、オペアンプの4番と8番にテスターを当ててショートしていないかを確認。どうやら正常値のようだ。
11.レファレンス動作確認(02:08:00~02:13:00)
まずは部品表通りの内容で組立したものを通電し、動作を確認。一発で成功した。聴いて一番すぐに音が違う事に気づいた。特にSSGのパンチがあるのでFMとの音量バランスを再調整して変えてみるもやはりSSGの存在感が増した感じになっているのが第一印象であった。また、今のところ音声チャンネルのR/Lは逆ではあるがパンの広がりが増して立体感あるサウンドになっていると感じた。
12.オペアンプ交換①(02:13:00~02:15:00)
既知の問題点の1つ、レファレンス環境のオペアンプだと謎の音割れが発生することへの対策だ。 一つ目のオペアンプ交換ではIC4を2904Dから4580DDへと交換した。
配信中ではそれらしき問題点は見当たらなかったが、後で色んな曲を再生させて確認したところ、Ysのような単音のメロディとかでは出にくいがOPNA全体を使って和音構成の曲だと音が混ざり合う時に妙に歪んだ音になることを確認できた。
13.オペアンプ交換②(02:15:00~02:18:00)
更に高音質へと変貌させるために、IC6を2904DからLME49721へと変更する。確かに今までとは違う感じの良質化。現行OPNAのよちゅ~ん☆レシピ版の品質にほぼ近いところまで来た感じである。これでどうにか行きそうである。
というわけで、動画はこの後エンディングで締めくくり終了となった。
配信後の手直し作業
1.音声チャンネルR/L逆の手直し
これも既知の問題点である。音源の音声チャンネル出力がR/L逆になっているようだ。これはDACの10番・11番ピンを逆転して配線させてあげることによって解消できる。
あの配信中の余談で作ろうとしたのはこれの事である。16ピンのソケットを2つ用意して、ICが刺さる方のソケット10番・11番ピンの足を短く切って、そこにエナメル線をはんだ付けする。そのあと下段になるソケットの11番・10番が入れ違いになるようはんだ付けしたものを重ねて取り付ける事で変換下駄の出来上がりだ。
もちろん下駄の導通は確認済み。この状態でようやく2つの問題点を解消できたわけだ。
おわりに
1.感想
このように、今回の新OPNAモジュールをはんだ付けして実際に動作させてみた感想だが、
- 短時間で手早く組みやすくなった
- チューン対象部品が解りやすい
- まるで別物に化けたかのような印象
まず、手早く組めるようになったのはすごい。前回私が従来版をはんだ付けした時は4時間近く掛かった。それが配信という行為をしているさなかでのはんだ付けで2時間ちょうど位。集中してやっていればそれよりもっと短時間で出来るのは明らかだ。
つづいて、表面実装部品が多く採用されたのは、私のような素人にとって、どの部品を取り換えればチューニングが効率よく出来るのか、が解りやすくてとても便利だなと感じた。
そして、実際に出てくる音についてだが、SSGが兎に角パワフルになり、ボリュームのつまみを少しあげるだけでパンチの効いた音がバシバシ出てくるようになった。これは聴く側もだが作る側も新OPNAモジュールの特長を活かした曲作りができると楽しいのではないかと思った。
2.いつもの御礼
最後になりますが、はんだ付け生配信を視聴いただき、たくさんのコメントで助言を頂きました。その皆さんに厚くお礼申し上げます。
また、このようなレビューの機会を与えていただきました、 FM音源伝説 Project RE:birth のNakagawa様には感謝しきれません。本当にありがとうございました。このβテスターの成果を経て、完成版の頒布が無事行われることを楽しみにしております。
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